事例:電車とバイパスに挟まれたマンションの騒音対策

対策の動機

お引越しをされて1年を経過したところで、Yさんからご相談をいただきました。Yさんのご家族は皆さん4名がそれぞれお勤めされているご家族です。コロナ禍で在宅勤務が多くなり、電車の音が、そして、バイパスを通過する大型トラックや階段を利用する人の足音が、以前にもまして気になるようになってしまったそうです。

時間帯によっては電車の音がTV鑑賞の邪魔をして、電車が通る音に合わせると、TVがととても喧しく、電車が走っていない時にTVの音量を合わせると電車で聞こえなくなる。とても「不自由な状態」だったそうです。それでも1年間工事をしなかったのは、「忙しく時間がなかった。」からです。また、同じマンションに住む内窓工事をしたお友達のお部屋に上がった時「(内窓を開け閉めしても)変わらない」と感じたからそうです。でも何とか改善したいと思っていたYさんは、「やるならリフォーム屋さんでなく、専門家に頼もうと決めていた。」そうです。

工事前の様子

下の写真のようにJRの線路と建物間は何も建物がありません。

線路から一番近い窓の距離は20m弱です。線路の向こう側は、線路に並行して幹線道路が走っています。

反対側はバイパスで、その上は高速道路が走っています。この近くには工場や物流基地もあり、大型車両が頻繁に通り抜けます。バイパスの幅は広く、手前側はマンションや商業施設が並んでいますが、バイパスも向こう側は大きな工場や倉庫が並んでいます。このこともあってか、シャーシャーというような高い音はスッと抜けてくれています。バイパスの上には高速道路が走っていて、バイクがふかし気味で走り縫えると高速道路で蓋をされているような格好になるので、太い音が暴力的に響きます。

建築時の防音サッシのパッキンも鍵の閉まり具合も良好で、まだまだ「元気な状態」でした。これなら、まだまだ使えますよとお伝えすると、Yさんは「開けると喧しいから、年に数回しか開けないからね」とのお言葉。ここからも、音が厳しい立地条件であることは、うかがえます。

工事後の様子

走り抜ける電車を窓越しに見ながらのYさんの第一声は「全く電車の音がしない」でした。確かに施工後の検査でも、電車が走り抜けても数デシベルの数字が大きくなるだけで、人の耳ではその差を聞き分けることができません。エアコンか空気清浄機が運転中であれば、その音のほうが大きなレベルです。

◆ 線路側のお部屋 40秒動画

電車が通り抜けている時の音量は、75デシベルという数字を超えるのに室内ではその半分以下の35という数字です。寝室として理想のレベルまでに持っていくことに成功しました。

◆ 線路側のお部屋(室内側拡大) 40秒動画

上の動画の室内側の騒音計部分を拡大したものです。電車が走り抜けても2デシベル弱しか音量が上がりません。2デシベルは人の耳では感じとるのが非常に難しい音量差です。

◆ バイパス側のお部屋 1分の動画

建築時のサッシは防音サッシ。それでもお部屋の音量は50デシベルを超えます。そして、工事後は35デシベルを超えることのないお部屋に変わりました。

「これなら、起こされる心配はない」とお褒めの言葉

最大値84デシベルの電車の音を37デシベルを超えることのないお部屋に、そしてバイパスを通過する積み荷が多いトレーラーが、道路のくぼみを通過したの積み荷の「ガッシャン」という音は全く聞こえなくなりました。お嬢さんんも「へぇーすごい。これならもう起こされる心配はないわ。」とのお返事をいただきました。