脳の処理を考察する

カクテルパーティー効果(脳の取捨選択)

同窓会など会話でぎやかな立食パーティーの中でも、人は自分の名前を呼ばれると、人は呼ばれた方向に体を向けてしまうものです。喧しい中でも大事な情報だけを聞き分ける能力が人にはあります。

意識を集中して小さな音を聞き分ける様子をあらわす言葉に「聞き耳を立てる。」「耳をそばだてる。」という言葉があるように誰にでも備わった能力です。これは脳の働きなので、機械にはできないことです。

そして、この機能は、身を守るために太古の昔に備わった機能だと説明する人がいます。睡眠時は視覚が働きません。遠くの危険を察知するには、聴覚を働かすしかなかったからだという説です。

「この間まではなんでもなかったのに、一度気にし始めたらその日からずっと音が気になって悩まされている。」音が引き金となり、脳に誤ったスイッチを入れるたのではないか。その裏には生活上の何かの変化・ストレスがあるのではないかと私はまず疑います。

音韻修復という脳の働き

脳の働きによる現象に、音韻修復という現象があります。これは音が欠けているのに脳が経験から勝手に音を補って、それらしい音に聴こえてしまう現象です。

この現象は、文字化が欠けていても、文章として読見込んでしまう現象と同じです。人は経験からその直後の音を予測しながら音を聞き分けているのではないという人もいます。

脳による音の残像現象

室外機など単調なリズムで小さい音をしばらく人に聞かせ、次に別の大きな音を聞かせます。これを何度か繰り返すと、大きな音の中に鳴っていない小さな音が聞こえるようになります。この音の残像現象(錯覚)を連続聴効果と言います。

「鳴りやんでいるはずなのに、小さくけれど鳴りやまない。」こういった相談も、ストレス×連続聴効果も一因かもしれません。

低周波

80Hz以下の周波数の音を低周波と言います。低周波は決して珍しいものではなく、多くの音の中に含まれています。ただし、この音域は日常生活においては、音量が小さいためマスキングされ、一般的には人には聞こえないとされています。

そして、その発生源の多くは機械です。

低周波の中でも低い周波数になるほど、圧迫感・イライラする・頭痛・吐き気・不眠を覚え、低周波の中でも高い数字ほど振動として伝わることが多くなります。しかしこのようなケースの音量(音圧)はいずれも55デシベル以上、その多くは80デシベル以上で確認されているので日常生活では出会うことはまずありません。