音で眠れない方へ

寝付けずホットミルクを飲む男性

音で寝付けないとのご相談は実に多く、その中でもお引越し直後でのご相談が目立て多いです。お引越しとは大きく環境が変わること。このタイミングがどうやら最も危険なようです。ほとんどの方が「住んで初めてわかった」そして「なかなか寝付けない!」とおっしゃいます。

「自分が音で寝付けなくなるとは思いもよらなかった。」

お引越し直後のご相談の方から頂くお話はいつかのパターンがあり、そして後悔をしている様子が伺えます。

  • 下見は日曜日で静かだった。
  • 抜け道だった。坂道・交差点近くがこんなにやかましいとは思わなかった。
  • 環境が良いと思っていたのに、公園(学校)がこんなにうるさいとは思いもよらなかった。
  • キッチンや収納などの機能や間取りばかりが気になって音に気付かなかった。
  • カタログ(販売員)の「防音サッシ」という言葉を信用した。
  • 仕事が忙しく吟味している時間がなく利便性で購入した。

「困った。でもどうしたらいいのかわからない。」

そしてご相談者に共通しているのは、何をしたらよいのかが、全くわからないということです。それは今まで音に悩んだ経験はないからです。昨日までは騒音は他人事。突然わが身に降りかかるからです。ですから、騒音の悩み・苦しみをどのようにすれば他人はわかってもらえるのか、誰に相談するのが適切なのか、なにもかも含めてすべて初めてのことだからです。

おそらく、困ったことが起こった時は、最初にご相談するのはご家族やとても親しいご友人であろうと思います。ご家族もご一緒に「喧しいね」となれば、これはもう、一人の問題ではなく、お二人の共通の重要事項ですから、解決に向けてのスピードは速まりますが、これが、お一人の場合はなかなか進みません。一緒に暮らしているご家族に「確かに音はしているけれど気にしすぎだよ。」「慣れるって。」と言われ一人に悩むご相談者は実に多いです。

今の騒音問題は20年前とは違います

まずおさえておきたいのは、今日おいて、誰もが騒がしいと感じるようなお部屋はまずないということです。それはくらしに求める要求が高まり、それにこたえるべく建築会社も努力した結果です。20年前に比べて建物の中は静かになっています。そんな建物が増え続け、その状態が普通=慣れている今であれば、もし、誰もがやかましいと感じるお部屋が賃貸であれば、なかなか借り手がつかず、収益が見込めないオーナーはその対策を講じるはずです。その証拠に築20年以上の賃貸オーナー様からご相談の数は年々増え続けています。そして戸建あっても買い手がなかなかつかず大幅なでディスカウントを余儀なくされます。

確かに20年前と比べて静かになっている。お部屋の中の音量は小さくなっている。それなのに、なぜ音で苦しみ人はこんなに多いのだろうか?

音は大きくない。でも耳障り。それが今どきの騒音

この20年の建築を振り返ってみると「高層化」・「耐震」・「温暖化対策」といった3つのキーワードが浮かび上がってきます。京都議定書で公約したCO2削減、東京湾周辺のタワーマンション。姉歯事件による構造偽造がありました。高層化と耐震により壁の厚みは増し、温暖化対策の一環として数度による省エネ基準の見直し住宅の省エネ化により、窓は単層ガラスからペアガラスが義務となりました。そして東日本大震災以降は関東においては、家電の省エネ化はもちろんのこと、住宅購入者は建物のそのもの省エネ性への関心を持つようになりました。これらの社会的な要望に応えたことが、結果的には、外部からの音遮断の性能を高めました。

音が入りにくいとは、音が出にくいということ

音が入りづらいということは、いったん入った音は外に出にくいということでもあります。出口をふさがれた音はそのパワーが落ち着くまでお部屋の中で何度も反射を繰り返すことになります。また、音の遮断性能が高まったことにより、20年前なら一緒にお部屋の中に入ってきた音の数も減っているので、嫌いな音がより鮮明に聞こえるようにます。現に戸建て新築では20年前まではなかった、「外を歩いている人の会話の内容がはっきりと聞き取れる。だから、こちらの生活音も外にまる聞こえではないか?」こう言ったご心配のご相談が増えています。

誰もがやかましいレベルではない。家族の中でも意見が分かれる。自分は気にならないから「そのうち慣れる」との意見が出てきます。悩んでいるご本人にとっては苦しいが、ご家族はその苦しみの経験がないから理解はできず、手立てもなく、アドバイスもできません。そしてインターネットで検索しても情報は見つかりません。

ではなぜ小さな音なのに気になって寝付けないのか。なぜ目覚めてしまうのかを次で考えたいと思ます。