基準から考える寝室の音環境

夜間の交通騒音

いったいどんな何デシベルまでなら静かと言えるのか。寝室で我慢できる音量ついて調べてみました。

何デシベルまでなら静かなの?

「何デシベルであれば静かといえますか?」このご質問、確かに沢山いただきます。中にはもっと具体的に「50デシベルのお部屋は静かですか?」と数字を挙げる人もいます。おそらく「○○デシベルがリビングの音環境」というたぐいの情報は建築に関する本や建材メーカーなどから仕入れた情報だと思います。

騒音レベルと人が感じる音量グラフ

この表は具体的で非常にイメージしやすいのですが、何デシベルなら静かとは言っていません。生活の中で計測してみるとこんな数字を指すことが多いですよ。という目安です。そして安眠を確保するには40デシベル以下にする必要がありそうだということが、影響を示す一番左下の「睡眠妨害」からわかります。

条例から考えてみる

都条例では車道を走る車騒音や工場からでる騒音、深夜営業サービスから発せられる騒音規制や航空騒音などを定めています。特に下の基準をまとめた表を持ち出してご相談も多いです。

 

地域類型

当てはめ地域

地域の区分

時間の区分

昼間 
(6時~22時)

夜間 
(22時~6時)

AA

清瀬市の区域のうち、松山3丁目1番、竹丘1丁目17番、竹丘3丁目1番から3番まで及び竹丘3丁目10番の区域

50以下

40以下

A

第1種低層住居専用地域 第2種低層住居専用地域 第1種中高層住居専用地域 第2種中高層住居専用地域 
これらに接する地先、水面

一般地域

55以下

45以下

2車線以上の車線を有する道路に面する地域

60以下

55以下

B

第1種住居地域 第2種住居地域 準住居地域 用途地域に定めのない地域 
これらに接する地先、水面

一般地域

55以下

45以下

2車線以上の車線を有する道路に面する地域

65以下

60以下

C

近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 
これらに接する地先、水面

一般地域

60以下

50以下

車線を有する道路に面する地域

65以下

60以下

夜間における交通騒音の限度は住宅地では45デシベルとしています。

ただし、この基準は道路=屋外の基準であり、寝室の音環境を示したものではありません。
通常は窓を閉めて生活をしていますのでお部屋の中の音量は上の数字よりも小さな数字になるはずです。

そして多くの人が、この表を読み違いをしてします。実はこの表の数字は時間平均値です。ですから、静かなところに車が一台、家の前を通り抜けた時の音量が70デシベルであっても違反というわけではありません。

40デシベルというのが一つの目安

さらに熱心に探した人は、都条例で示されている幹線道路における騒音基準の特例事項を引っ張り出してきて相談をされる方が稀にいらっしゃします。

特例事項によれば、窓を閉めたときに、室内に侵入してくる車の音量(音圧)は昼間にあたっては45デシベル以下。夜間(22時から午前6時)にあたっては40デシベル以下としてもよいとされています。

ここから40デシベルが社会的に認める「うるさい」かどうか、我慢の境界線=受忍できる音量の限度であり、それがある程度連続的に続くようであれば、体への影響がありそうだということが読み取れます。

諸外国の基準

うるさいと感じるラインはどうやら人種による違いはないようです。

ヨーロッパ世界保健機構が2009年にまとめたNight noise guidelines for Europe2009では、さらなる研究が必要とされつつも、健康と騒音レベルとの関係を下のようにまとめています。

夜間平均騒音レベル体への影響
30デシベル以下影響が認められない
30-40睡眠に何らかの影響が出始めるがその影響は小さい。その影響の程度は音源の特性や発生回数に依存する。
40-55健康への悪影響が生じる。40デシベルは悪影響が生じるボーダーライン=これを超えると影響が確認できる。
それ以上心疾患のリスクが増加するとの報告あり

ーロッパでは風力発電での風車が回転することでおこる騒音についての規制があり、オランダでは夜間(23時から7時)は41デシベルに基準を置いています。メール調査の結果1か月の間に風車の音が気になって1度でも睡眠を妨害されたと回答した人を絞り込んだ調査分析を根拠にしています。

ドイツでは都市住居地域においては夜間40デシベル。住居専用地域においてはその限度を35デシベルとしています。イギリスでは、住宅地では音がしていないときの騒音計の値+5デシベルと35デシベルという数字を比較して大きい方の数字を基準としています。このイギリスの基準は全体的な音量だけでなく、静かな時と、やかましい時の落差で起こるやかましさについても考慮しているところが特徴です。

いずれにしても、寝室は時間平均40デシベルを超えないことが求められ、単発的な短時間な音、例えば車が通り抜けたときの音も、40デシベルを超えなければ、どうやら多くの人が安心して眠れる環境にできるだろうと推察できます。